博士課程

概要(目的、特色、各専攻・講座の研究内容)

目的

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科は、社会的要請に迅速に対応するとともに、医学・歯学の各教官が医の倫理観を備えた全人的資質を備え、高度な教育と先端的研究を効率的に実施し解決する必要があり、大学における教育研究体制を抜本的に再編すると共に、教育研究目的を明確化し、次のような目標を設定し、平成15年4月に設置されました。

  1. 生命科学領域の教育研究リーダーの育成
    生活習慣病の増加などの諸課題の解決に寄与し、健康維持増進の研究、先端的治療法の研究を推進する生命科学領域の教育研究のリーダーとなる研究者及び教育者の育成を行います。
  2. 地域の特徴を生かした生命医療科学領域の教育研究拠点の創出、離島における医療の確立、組織・臓器の機能再生や再構築を目指す「再生医学」、臓器移植用ミニブタの開発、宇宙医学を基盤とした地上におけるライフサイエンス研究の強化を行います。
  3. 専門性を備えながら医の倫理観を備えた全人的資質を有する生命医療職業人の育成教育研究指導に当たる各教官は、常に医の倫理観を備えた全人的資質を有しつつ、医療・医人倫理学、医学倫理学、人間学などの幅広いカリキュラムを提供し、社会の要請に沿った全人的資質を備えた人材を育成を行います。

特色

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科の特色は、以下のように要約されます。

  1. 医学研究科及び歯学研究科の統合により、より柔軟で広範な生命医療科学の大学院教育ができるようになります。学部教育においても一定の独自性は維持するものの、同一研究科に所属することになり教員が各々の学問基盤に充分に配慮しつつ幅広い有機的な学部教育を行うことができます。
  2. 旧来の基礎系講座、臨床系講座の枠組みを発展的に解消し、新たに健康科学専攻と先進治療科学専攻を設置します。そのいずれにおいても、旧来の基礎系と臨床系教官が有機的に配置された大講座となります。
  3. 鹿児島に特化した医学医療の課題や、新しい学問分野の創出に対して柔軟に対応できるプロジェクト指向型の講座(国際島嶼医療学講座、再生・再建移植学講座)や外部機関との連携講座(宇宙開発事業団との連携による宇宙環境医学講座)を導入することにより地域の特性に基づく課題に迅速に対応できる教育研究体制を構築できます。
  4. PhD-MDコース(10年生のコース)を導入します。
  5. 生命・医の倫理観を備えた高度医療人・生命医科学研究者を育成するために、共通コア科目として医療・医人倫理学、医学倫理学、専門基礎科目として人間学特講など、倫理学教育を十分に充実させます。
  6. 基礎系、臨床系の教官を交えた3人の指導教官制により研究指導の充実を図ります。
  7. 社会人の入学に対応するために、大学院設置基準第14条に定める教育方法の特例を実施します。

社会の要請に十分に対応しうる研究者・医療人を育成するために、大学院生は研究成果を公開講座や市民講座で発表し、社会より直接評価を受け、大学と社会の関連を実践的に学べます。

各専攻、講座の概要

専攻の目的と研究内容

疾病予防を中心とした健康科学専攻と先端医療技術の推進を中心とした先進治療科学専攻の2専攻を置きます。それぞれの専攻において、生活習慣病など普遍的な疾病を中心に研究する課題別講座と鹿児島の地域性及び鹿児島大学の特徴により鹿児島に特化した新分野を研究する時限制のプロジェクト講座並びに宇宙航空研究開発機構との連携による大学院講座を設けています。

健康科学専攻(4講座、1プロジェクト講座)

生命現象の基礎的理解に基づき疾病に関する個体の問題(生活習慣など)、個体と環境の関係、社会の諸問題などに関する疾病予防を中心に基礎研究と臨床研究を統合して総合的に病因・病態を明らかにし、育成・予防法、診断・治療体系や技術体系の開発を推進します。

【講座の概要】
  1. 人間環境学講座
    人間環境学大講座では、人間を取り囲む自然・社会環境、ライフスタイル、病原体が人間の生活や心身の健康にどのような影響を与えるかを解析し、健康保持増進、疾病予防、進展阻止、治療や社会復帰のための戦略を確立し、安心して生活ができるQOLの高い社会の確立を目指します。また医療提供者と患者との関係解析を行うとともに、両者の情報を安全かつ有効に共有できるシステムを模索し、両者が安心かつ納得のできる医療システムの構築を目指します。
  2. 社会・行動医学講座
    現代の急激な社会・環境の変化に伴って、人間の生態、心理、倫理などの面にも従来は考えられなかったような新しい諸問題、例えば、精神行動障害、身体化障害、行動関連疾患(ライフスタイル病)の増加など多くの問題が顕在化しており、また児童虐待、医師の人間性・社会性も社会問題化しています。 それらの諸問題について、社会、素因、生態、心理、倫理的要因の相互の役割を分子レベルからマクロ(社会)のレベルまでを研究することによって、より健康で安全な生活を送ることのできる社会環境の構築とその維持に寄与することを目指します。さらには、社会・環境・素因の相互作用による行動関連疾患や精神および行動の障害に対する予防・治療法の開発を目指していく。同時に、大講座全体としての課題(メンタルヘルス、保健行動、行動障害の研究など)を設定し、領域全体が協力・分担して様々な手法を用いて研究を進め、慢性・難治化症例や社会問題に対するチームアプローチを行い社会に貢献していきます。
  3. 感染防御学講座
    新興・再興感染症の病態解明、制御は今後の少子・高齢化社会における保健・福祉面で益々重要な課題となります。また、生体防御機構の異常によっておこる免疫病は依然、難治性疾患として多くの国民を苦しめています。本講座では基礎、臨床の両面から、細菌、ウイルス、真菌、原虫等による感染症について、病因論、発症機序、感染防御機構、診断法、抗菌化学療法、多剤耐性菌対策、院内感染制御、急性・劇症感染症に対する救急医療、ワクチン開発などの研究をおこないます。また、免疫異常によっておこる自己免疫疾患、リウマチ疾患等の難治性疾患の病態解明と治療法の開発に取り組みます。
  4. 発生発達成育学講座
    生体の構造と機能の獲得は綿密に制御された発生と分化によって初めて可能であり、発達・成育は周到に用意された環境で行われれば、個体の機能を高めていくことができます。本講座の目的は、正常の発生・分化、発達・成育のメカニズムをゲノムから臨床レベルまで幅広い分野で研究し、先天的、後天的に出現する種々の疾病の発症機構を解明し、予防・治療法の開発を目指すものです。本講座の特徴は遺伝と環境との関係を受精前環境(両親)、受精、胎芽、胎児、出生、発達・成育、加齢(中高年医学)という極めて長いスパンで研究を行え、社会への貢献が大きいことにあります。
  5. 国際島嶼医療学講座(プロジェクト講座)
    島嶼地域ではその地域特有の自然環境、文化、社会構成、疾病、健康・医療問題が存在しています。本プロジェクトでは島嶼地域における人口動態や生活並びに疾病と医療の現状を把握・分析し、その地理的・文化的・歴史的特性を踏まえて、島嶼地域特有の疾患の原因・修飾要因の解明並びにcommon diseaseの発症背景や修飾要因の解明を行います。そして島嶼地域の生活に密着した予防医学、地域並びに地域連携医療、包括医療、全人的医療の達成並びに国際的視点を取り入れた新しい地域医療モデルの作成を目標とし、島嶼地域における医学研究のための方法論並びに医療システムの確立を目指します。

先進治療科学専攻(7講座・1プロジェクト講座)

医学と歯学における基礎医学と臨床医学を有機的に連携し、急速に進歩する基礎医学の成果をトランスレーショナル・リサーチとして臨床医学に取り入れ、先端医療技術を開発・臨床応用を推進し、これを担う人材を育成することを目的とします。
特に最新の遺伝子工学、生体工学、ナノテクノロジーなどの高度先進技術を駆使し、遺伝子治療、移植医療、再生医学などの先進的医療やオーダーメイド医療やEvidence-Based Medicine(EBM)を展開します。

【講座の概要】
  1. 神経病学講座
    分子生物学などの最先端の研究方法を駆使し、脳を含む内科的外科的神経系疾患の発生機序の解明に力を尽くすとともに、遺伝子工学から生体工学までの幅広い最新の技術を使い、神経系疾患における正確で的確な診断法や予後の優れた治療方法などを研究開発することを主要な研究課題とします。さらに本講座は、疾患の解明・治療法の開発などと密接な関連性を有する神経系の構造的機能的解析などの基礎的研究や疼痛の病態解明と治療法の研究開発を推進する疼痛制御にも取り組みます。
  2. 感覚器病学講座
    視覚、聴覚、嗅覚、味覚、一般感覚など感覚はヒトが生活を営むうえで、またこれからの高齢化社会におけるより高いQOLを求めていくうえで重要な生理機能です。これまでこれら感覚器は個々にその研究がなされてきたが、感覚器の疾患は遺伝性疾患のほかにも炎症やアレルギーなど、全身疾患の一症状として複数の感覚器官に同時に発症することが少なくありません。また、一感覚器の障害が他の感覚器によって代償されることがあるが、その機序は明らかにされていません。本講座では、それぞれの感覚器の機能および病態の相互作用・関連性を重視して、感覚器疾患を系統的かつ総合的に解析し、新たな先進的診断・治療法の開発を目指します。
  3. 運動機能修復学講座
    四肢・脊椎における骨格、筋、神経機能疾患の病態解明と先進的治療に結びつく基礎医学を集学的に研究します。骨格においては骨疾患と軟骨疾患があります。骨吸収と骨形成に基づく先天性、後天性、および退行変性の諸疾患群を骨代謝の面から総合的に研究します。先天性および乳児期・小児期の疾患では成長障害を防止し、整容面でも貢献します。退行変性では骨格の変形・疼痛・機能損失の問題を擁し、今後ますます進行する高齢化社会にとって本研究の貢献度は大きいです。軟骨疾患では関節や脊椎の変形を防止する再生研究を行います。神経疾患では脊髄損傷での2次損傷防止に関した研究、慢性圧迫による痙性麻痺の病態解明と神経細胞の分化並びに再生に関する研究を行います。筋肉の再生研究で老化防止に貢献します。
  4. 循環器・呼吸器病学講座
    循環器・呼吸器病学講座では、共通のテーマとして「血管病」の視点に立脚し、高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病や原発性肺高血圧症の病態の解明と新たな治療法の確立を目指します。また、血管再生医療や機能を有する人工血管の開発を進展させ、その臨床応用を展開する。移植医療では、肺移植、心移植、あるいは心肺同時移植の実施を視野にドナー臓器の新たな保存法を開発し、移植医療の安全性を高める。また特発性心筋症や虚血性心筋症など重症心不全を呈する心筋症に対する集学的治療法を確立し、臨床展開します。呼吸器病学では更に間質性肺炎や肺繊維症など難治性呼吸器疾患の病態解明と治療の新方策を目指します。
  5. 生体機能制御学講座
    生体の恒常性維持においては、神経系、循環系、内分泌系など多様な機能調節系が互いに密接に関連しながら統合的に制御されており、その異常が、諸種の疾患・病態を惹起するとされています。そこで本講座では、中枢神経細胞をはじめ諸種細胞の機能調節系における核酸や蛋白、脂質、糖質の機能と役割について解析すると共に、生体調節系の有機的な連関性を網羅的に解析し、生体制御機構の詳細を解明することを目的とします。併せて、ここで集積した分子・細胞レベルの知見要素と生体全体の有機的な機能調節の連携機構を再構築することにより、がん、生活習慣病、痴呆、脳神経障害といった疾患・病態を制御する新たな予防と治療法の開発に取り組み、患者のQOLを積極的に考慮した先進医療の展開を目指すものです。
  6. 顎顔面機能再建学講座
    口と顎は、主な機能が捕食・咀嚼・嚥下、構音であるが、顔の審美性にも関わっています。これらは、咀嚼・嚥下と表情に関連する各種筋群と味蕾を有する舌、上下の歯の咬合および顎関節の機能により支えられており、齲蝕、歯周病、歯の喪失と顎骨萎縮、外傷、唇顎口蓋裂、腫瘍、脳卒中の後遺症などにより障害されています。その予防と治療には、歯科特有の器材と技術を要し、外科処置では、咬合機能を考慮した組織再建が要求され、外科手術や有病者の歯科治療では全身管理が必要です。顎顔面機能再建学講座は、ヒトがヒトとして生きるために重要な、食べること、話すこと、容貌に関わる、口腔・顎・顔面の疾患の予防法と治療法についての研究を行い、ヒトのQOLを高く維持することに貢献します。
  7. 腫瘍学講座
    今回の重点化により、医学部附属研究施設の腫瘍研究施設を発展的解消し、本研究科の腫瘍学講座に参画することにより、これまで当施設において実績を積み重ねてきた分子腫瘍学等の研究を含めて、日本のみならず世界中の最重要研究課題の一つである「がん」の征服を目指し、これまでの研究成果を基本に、がんの発生や進展の機構、転移と血管新生の関連、抗がん剤耐性機構の解明といった基礎的領域から、微小転移の検出、膵癌のような 難治性がんの克服のための早期診断システムの確立や集学的治療法の開発・改良と いった臨床的領域に至るまでの研究テーマを追求します。さらには、鹿児島に多発する成人T細胞白血病のような地域的特徴のある研究テーマに対し、基礎と臨床を集 学的に統合することにより研究効率を向上させます。また、鹿児島大学が開発に力を入れているミニブタの活用等による研究の独自性を保ちつつ、国内はもとより諸外国と結んだ活発な共同研究を実施して、日々の医療に貢献できる研究を展開します。
  8. 再生・再建移植学講座(プロジェクト講座)
    組織・臓器の機能再生や再構築を目指す「再生医学」に加えて、本学で開発された医用ミニブタ(臓器移植ドナーミニブタ)を用いての再建移植学を基本とするものであり、両者を有機的に統合した学問体系を構築します。前者の再生医学に関しては、医歯学及び工学関連の細胞・組織再生医工学を駆使した研究システムを構築します。後者の再建移植医療学においては、遺伝子改変したミニブタを用いての異種移植臓器の開発や、ドナーミニブタの情報解析などの研究課題が中心となります。併せて、先進治療教育学として、ヒトに酷似した解剖学的特性を有する医用ミニブタを用いた医歯学関連の教育訓練を行います。
課題別講座とプロジェクト講座の違い

課題別講座とは、各専攻(健康科学、先進治療科学)が、これまでの学問分野を配慮し、これからの医療において普遍的な課題(増加する生活習慣病や精神病理学的異常の深刻化など)の克服と先端治療の開発を目的とし、それぞれ目的に応じた課題に取り組みます。これまでの医・歯学の大学院での研究を生かし、さらに有機的に統合再編し、卓越した教育・研究を行うものであり、課題の内容に専門性の高い教官が専任として教育・研究を行います。
一方でプロジェクト講座は、鹿児島の地域性及び先端性に特化した新分野、つまり地域的な特色と鹿児島大学での実績を生かすことができる内容である島嶼圏(離島)の医療問題、移植医療の研究に重要なミニ豚の開発・育成の実績及び生命科学資源開発研究センター(平成14年度設置)の存在に基づくものであり、学内共同教育研究施設等の専門的教官を専任として構成するものです。

目的別コースの概要

博士課程には、一般のコースとは履修計画、シラバス及び修了要件が異なる目的別のコースを下記のとおり設けています。

先端がん診断・治療コースの概要

本コースは、令和6年度からスタートしたコースで、地域がん医療を総合的に行える人材の育成と共に、医師、薬剤師、看護師、放射線技師等と協調してチーム医療の核となる指導的がん専門医を養成する目的で開講いたします。また、プレシジョン医療を推進し、自ら研究開発できる人材の育成も行います。九州11大学が連携して行う「次世代の九州がんプロ養成プラン」の一つとしてスタートいたしました。健康科学専攻および先進治療科学専攻を問わず、どの研究分野からも本コースを選択できます。

ウイルス性難治疾患研究コースの概要

本コースは、平成20年度からスタートしたコースで、レトロウイルス関連難治性疾患の研究で実績のある鹿児島大学でしかできない難治性疾患に関する最先端の実践的な基礎的、臨床教育を行い、経験豊かな研究者が、若手研究者と一体となって研究を行うことにより次世代の生命医療科学研究者、難治疾患の制圧を志す医学研究者、医師を輩出することを目指しています。
先進治療科学専攻、先端的がん診断治療研究センター、難治ウイルス病態制御研究センターが中心となり、がんその他の難治疾患の研究に必要な生化学、分子生物学、遺伝工学などの基礎生命科学の講義、実習、演習を行います。
また、前記の2つのセンターと附属病院治験管理部、および腫瘍センターが緊密に協力して、高度専門職能人を養成するための、より専門性を高めた各難治性疾患の診断と治療に関する講義、実験、臨床修練を効率的に行います。

高度歯科専門臨床医養成コースの概要

本コースは、歯科臨床の専門分野において幅広い専門的知識・臨床能力を有し、その専門分野の高度な研究遂行能力と、先端的な医療のできる臨床専門医を養成する目的で開講します。
本コースでは、歯科医療・福祉等のさまざまな分野で専門医や認定医の取得を念頭に、鹿児島大学病院を中心に臨床修練を行います。その際、各専門領域の専門医あるいは認定医の資格を効率よく取得できるよう基礎研修および臨床研修を積むとともに、高度専門職業人としての歯科医師に必要な高い倫理観と幅広い専門的知識・臨床能力、ならびに研究の遂行に必要な研究手法や能力を習得することが可能です。

グローバル医歯学コースの概要

鹿児島大学医歯学総合研究科では、共同研究や留学生の受け入れを研究室や診療科を中心としてこれまでに多数実施することによって、世界各国への社会貢献を実践してきました。この経験を活かし、留学生を対象とした恒常的なコースとして「グローバル医歯学コース」を平成31年度から設置します。本コースは、全ての授業を英語で受講し、英語のみで学位を取得可能であることが最大の特徴です。
本コースでは、国際社会において医学・歯学の発展に寄与する研究者・専門医・教育者の育成を目的としています。学生は以下にあげる各専攻の研究活動を通して、国際的な評価に耐える研究を計画・実施・発信する能力を修得し、さらに、広い視野で研究の社会的な意味を問い続け、共同研究を推進する協調性と倫理観を有した人材となることをめざします。
本コースでは、各所属研究分野における研究指導を英語で行うことはもちろん、共通の講義科目についても原則英語で実施します。併せて、英語を母国語としない留学生のために、「Life Science English」、「Life Science Writing in English」等の英語の基礎的能力を身につけさせる講義も複数開講します。

ウイルス感染症制御学コースの概要

COVID-19パンデミックに代表される、新規ウイルス感染症は人類の課題であり、次世代ウイルス研究者の育成が必要です。本コースでは、ヒトに疾病をもたらす慢性ウイルスおよび新興・再興ウイルスに対する研究者の育成を行います。さらに、国際的な研究能力をもつ次世代ウイルス研究者を育成します。そのため、講義・実験は全て英語で行い、外国人留学生も容易に受講できるようにします。

本コースでは、ウイルス感染症研究のProfessional教育を実施します。必修の講義科目として、「ウイルス感染症の基礎と臨床」を開講し、ウイルス感染症の概論から、感染免疫学、慢性ウイルスおよび新興・再興ウイルスの基礎病態学や疫学、臨床に加えて世界的な見地からこれらの感染症の問題を講義するとともに、本邦および世界の抗ウイルス薬の創薬についても概説します。また、第一線のウイルス研究者の講師陣による「ウイルス感染症の研究講義」を必修科目として開講します。以上の2科目は、本学医歯学総合研究科、理工学研究科の教員と、本学が熊本大学と合同運営するヒトレトロウイルス学共同研究センター熊本大学キャンパス、宮崎大学、および東京医科歯科大学から外部講師を招聘し、オムニバス形式で行われます。さらに、選択科目として、統計学、生命科学英語の講義を実施し、研究者に必要な基礎的素養を身に付けるための教育を行います。

「早期履修制度(博士課程の研究医の養成に関する取り組み)」について

「早期履修制度」とは、博士課程の研究医の養成に関する取り組みとして、大学院博士課程の授業科目を学部生の内に早期履修し、大学院に進学後、当該研究科の定める範囲内で認定し大学院の修了要件単位として認定する制度です。

【対象者】:次の各号の全てに該当する場合、早期履修を申請可能です。
(1) 鹿児島大学医学部又は歯学部に在籍する5年次から6年次までの学生で、医学部医学科又は歯学部歯学科の定める単位を優秀な成績(GPA2.5以上)で修得したと認められた者
(2) 研究医を目指すため、卒業後、研究科博士課程への進学意志がある者
(3) 助言指導教員等からの推薦がある者
 ※注意※
鹿児島大学医学部又は歯学部を卒業後、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科(博士課程)に入学した場合のみ、大学院の修了要件単位として認められます。

【履修科目】: 医歯学総合研究科が指定した科目のみ受講できます。
以下の「令和6年度早期履修対象科目一覧」のうち、履修対象に〇がついている科目が対象です。
ただし、開講状況や時間割は、変更の可能性がありますのでご留意ください。
令和6年度早期履修対象科目一覧> 

【履修登録方法】
早期履修による履修を希望する方は、助言指導教員等に相談の上、令和6年4月10日までに以下の書類を学務課医歯学大学院係へ提出してください。
(1) 大学院授業科目履修申請書(別記様式第1号)・履歴書(別記様式第2号)
(2) 医学部医学科又は歯学部歯学科の学業成績証明書

【登録上限単位数と認定上限単位数】
登録科目の単位数は、各学部の履修登録上限単位数に含みません。
ただし、助言指導教員等と相談の上、学部における単位修得に影響しないように注意してください。
医歯学総合研究科博士課程入学後の認定上限単位数は10単位です。
※学部卒業後直ぐに大学院に入学する必要はありません。卒後臨床研修を経てからの大学院入学でも有効です。

その他変更があった場合は、別途ホームページに掲載します。

学生相談について

学生生活では時として困難な事項に直面することがあります。放置しておくと解決が
困難になることもあります。下に示す制度を活用してください。

学生何でも相談室

学生生活上の悩み・迷いに対する相談窓口として、「学生何でも相談室」が設けられています。
「所属研究科の教務又は学生担当係」においても相談を受けつけていますので、
直接お越しくださる方法の他、電話、Eメール、手紙によりご相談ください。

ハラスメント相談

良好な学園環境を確保するために、大学の一員としてハラスメントの被害者や加害者
を出さないように気配りする必要があります。ハラスメントの被害を深刻にしない
ために、大学にはハラスメント相談員が配置されています。「学生何でも相談室」でも
専属の相談員が対応しますので、安心してご相談ください。

pdfハラスメント相談員名簿

 お問い合わせ先

住所 〒890-8544 鹿児島市桜ヶ丘8丁目35番1号
鹿児島大学 医歯学総合研究科等 学務課 医歯学大学院係
電話番号 099(275)5120
FAX番号 099(275)5136
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