血液腫瘍学
当分野は、公益財団法人慈愛会今村総合病院血液内科と連携して血液腫瘍に関する研究を行っている。
今村総合病院血液内科では、多くの血液疾患患者の診断・治療を行っている。主な疾患としては、急性白血病、リンパ腫などであるが、南九州地方に多い成人T細胞白血病/リンパ腫(adult T cell leukemia-lymphoma: ATL)患者が最も多くを占めている。当科では、血液疾患に対して診断・治療(化学療法、造血幹細胞移植療法、分子標的療法)・病態解析研究などを行っている。また、全国的な規模での治療研究グループとの共同研究も積極的に行っている。
研究室概要
部局 | 大学院医歯学総合研究科 | Graduate School of Medical and Dental Sciences |
---|---|---|
専攻 | 先進治療科学専攻 | Advanced Therapeutics Course |
大講座 | 先端医療学講座(連携講座) | Cooperative Department of Innovative Medicine |
分野 | 血液腫瘍学 | Hematooncology |
分野サイト | http://www.jiaikai.or.jp/imamura-general/ |
連絡先
TEL.099-251-2221 / FAX.099-250-6181
主要研究テーマ
血液疾患患者の治療研究 |
血液疾患患者の造血幹細胞移植治療研究 |
ATLの臨床研究 |
ATLの治療開発研究 |
スタッフ
客員教授(今村総合病院 名誉院長兼臨床研究センター長)
氏名 | 宇都宮與 Atae UTSUNOMIYA |
---|---|
専門分野 | 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、化学療法、造血幹細胞移植 |
研究テーマ | ・血液疾患患者の治療研究 ・血液疾患患者の造血幹細胞移植治療研究 ・ATLの臨床研究 ・ATLの治療開発研究 |
主な研究実績(2014年~)
宇都宮與
【著書】
- 宇都宮與.成人T細胞白血病-リンパ腫.今日の治療指針2014年―私はこう治療している.医学書院,東京,2014,pp640-642
- 宇都宮與.ATLの治療方針.EBM血液疾患の治療 2015-2016.中外医学社,東京,2014,pp 309-313
【論文】
- 宇都宮與、崔日承、鵜池直邦.ATLに対する同種造血幹細胞移植と細胞療法に関する研究の現状.血液内科68(1):51-57, 2014
- Nakano N, Kusumoto S, Tanaka Y, Ishida T, Takeuchi S, Takatsuka Y, Akinaga S, Mizokami M, Ueda R, Utsunomiya A. Reactivation of hepatitis B virus in a patient with adult T-cell leukemia-lymphoma receiving the anti-CC chemokine receptor 4 antibody mogamulizumab. Hepatol Res 44(3):354-357, 2014
- Yonekura K, Kanzaki T, Gunshin K, Kawakami N, Takatsuka Y, Nakano N, Tokunaga M, Kubota A, Takeuchi S, Kanekura T, Utsunomiya A. Effect of anti-CCR4 monoclonal antibody (mogamulizumab) on adult T-cell leukemia–lymphoma: cutaneous adverse reactions may predict the prognosis. J Dermatology 41:239–244, 2014
- Kato K, Choi I, Wake A, Uike N, Taniguchi S, Moriuchi Y, Miyazaki Y, Nakamae H, Oku E, Murata M, Eto T, Akashi K, Sakamaki H, Kato K, Suzuki R, Yamanaka T, Utsunomiya A. Treatment of adult T-cell leukemia/lymphoma with cord blood transplantation: a Japanese nationwide retrospective survey. Biol Blood Marrow Transplant 20(12):1968-1974, 2014
- Nakano N, Kubota A, Tokunaga M, Tokunaga M, Itoyama T, Makino T, Takeuchi S, Takatsuka Y, Utsunomiya A. High incidence of CMV infection in adult T-cell leukemia/lymphoma patients after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation. Bone Marrow Transplant 49(12):1548-1549, 2014
- 宇都宮與、徳永雅仁、中野伸亮、窪田歩、竹内昇吾、高塚祥芝、矢野貴文、髙崎能久、坂江清弘.腫瘍性疾患:成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL).胃と腸 50(6):771-773, 2015
- Utsunomiya A, Choi I, Chihara D, Seto M. Recent advances in treatment of adult T-cell leukemia- lymphomas. Cancer Sci. 106(4):344-351, 2015
- Utsunomiya A, Nakano N, Takatsuka Y. Recent advances in allogeneic hematopoietic stem cell transplantation for adult T-cell leukemia-lymphoma. Journal of Hematopoietic Cell Transplantation 4(2): 39-46, 2015
共同開発・研究
基礎研究 | ATLの発症や腫瘍化などに関する基礎研究を鹿児島大学・東京大学・京都大学・久留米大学・熊本大学・東京医科歯科大学・聖マリアンナ医科大学・名古屋市立大学・岡山大学などと共同で行っている。 |
---|---|
臨床研究 | ATLの化学療法・造血幹細胞移植療法・免疫療法などの治療開発研究を国立がん研究センター中央病院、名古屋市立大学・九州がんセンター・福岡大学などとの共同で行っている。 |
主な研究費取得状況
宇都宮與
事業・種目 / 期間 | 研究 |
---|---|
厚生労働科学研究費補助金 分担研究者(研究代表者:東京大学 内丸薫先生) 2014~2016年度(予定) |
HTLV-1キャリアとATL患者の実態把握、リスク評価、相談支援体制整備とATL/HTLV-1感染症克服研究事業の適正な運用に資する研究 |
日本医療研究開発機構委託研究開発費 研究分担開発者(研究開発代表者:国立感染症研究所 浜口功先生) 2014~2016年度(予定) |
HTLV-1感染症の診断法の標準化と発症リスクの解明に関する研究 |
日本医療研究開発機構委託研究開発費 研究分担開発者(研究開発代表者:久留米大学 瀬戸加大先生) 2014~2016年度(予定) |
ATLの分子病態に基づく治療層別化のためのマーカー開発と分子標的の同定、および革新的マウス急性型ATL実験モデルを用いた臨床応用への展開 |
日本医療研究開発機構委託研究開発費 研究分担開発者(研究開発代表者:宮崎大学 下田和哉先生) 2014~2016年度(予定) |
前例登録を基盤とした臨床情報と遺伝子情報の融合によるATLL予後予測モデル、発症前診断の開発と、ATLLクローン進化機序の解明 |
日本医療研究開発機構委託研究開発費 研究分担開発者(研究開発代表者:国立がん研究センター東病院 塚崎邦弘先生) 2014~2016年度(予定) |
臨床試験、発症ハイリスクコホート、ゲノム解析を統合したアプローチによるATL標準治療法の開発 |
日本医療研究開発機構委託研究開発費 研究分担開発者(研究開発代表者:国立がん研究センター中央病院 福田隆浩先生) 2014~2016年度(予定) |
成人T細胞白血病に対する標準治療としての同種造血幹細胞移植法の確立およびゲノム解析に基づく治療法の最適化に関する研究 |
日本医療研究開発機構委託研究開発費 研究分担開発者(研究開発代表者:鹿児島大学 石塚賢治先生) 2014~2016年度(予定) |
成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)に対する新規治療を開発する医師主導治験 |