研究テーマ(研究室紹介)

2021.3.31講座イメージ画像

沿革

当教室は昭和40年4月に皮膚科学・泌尿器科学講座から分離し開講いたしました。初代の岡元健一郎教授、第二代目の大井好忠教授、そして先代の中川昌之教授に引き継がれてまいりましたが、令和3年4月より榎田英樹教授のもと、泌尿器科学の診療、研究、教育を中心にさらなる向上を目指しています。

臨床

泌尿器科は泌尿生殖器系の疾患の診断・治療を担当する科ですが、その専門分野はさらに9つほどに分かれ多岐にわたります。まず泌尿器癌の分野では、近年、男性では罹患数が最も多くなった前立腺癌をはじめ膀胱癌や腎盂・尿管癌、腎癌、精巣癌などの診断と治療を行っています。
手術では、ロボット(ダヴィンチ)を使った内視鏡手術が増加し、当科でも多くの前立腺癌、膀胱癌の全摘あるいは腎癌の部分切除手術で使用しています。転移があり手術では切除不能の癌に対しても最新の臨床治験のデータやオンコパネル解析に基づいて、適切で最善のタイミングでの全身化学療法や放射線治療を提供できるように他科とも協力して取り組んでいます。
次に腎不全の治療ですが、血液透析や腹膜透析、さらには腎移植を行っています。当科では、腎移植の普及・啓発活動に努めており、毎年30件近くの腎移植を行っています。近年では、夫婦間移植や難易度の高いABO血液型不適合移植が全体の半分を占めるようになっています。
一方、小児泌尿器科の分野では、先天的に泌尿生殖器に異常を持つ疾患も多くみられ、多くの小児の治療をしています。これらの治療はそれぞれの分野の専門医資格を持つ医師が担当しています。
さらに、排尿障害・尿路感染症・尿路結石・女性泌尿器科・アンドロロジーなどがあります。
どの分野も非常に重要であり、鹿児島のような地方都市ではまず大学病院がどのような泌尿器疾患でも責任を持って受け入れできる体制を継続することが大切と考えています。

研究

当分野では、エピジェネティックな遺伝子発現調節機構に注目しており、マイクロRNAや遺伝子メチル化による分子ネットワークを介した、3大泌尿器癌(腎癌、尿路上皮癌、前立腺癌)の増殖・浸潤・転移機構の解明や治療耐性獲得機序の解明に取り組んでいます。更に最近では、細胞外小胞の一つであるエクソソームに注目しその中に含まれるmicroRNAや代謝産物を用いて、新規治療法の開発や診断・予後予測マーカーの探索を行っています。また、海外や国内の著名な大学とも共同研究しており、研究によって得られた新たな知見は、毎年、国内だけでなく米国やヨーロッパの学会で発表を行っています。

研究室概要

部局 大学院医歯学総合研究科 Graduate School of Medical and Dental Sciences
専攻 先進治療科学専攻 Advanced Therapeutics Course
大講座 腫瘍学 Oncology
分野 臨泌尿器科学 Urology
分野サイト https://www3.kufm.kagoshima-u.ac.jp/urology/

分野サイト

連絡先

TEL.099-275-5395 / FAX.099-275-6637

主要研究テーマ

マイクロRNA機能を起点とした泌尿器癌の発生・浸潤・転移機構の解明 Study on the mechanism of tumorigenesis, invasion, and metastasis of urologic cancers on the basis of microRNA function
泌尿器癌における分子標的薬耐性のメカニズム解明 Study on the mechanism of molecular targeting agent resistance in urologic cancers
無細胞化組織片を用いた膀胱の再建・再生の研究 Study on regenerative medicine of the bladder using acellular matrix
尿路感染症における薬剤耐性機構の解明 Study on the mechanism of drug resistance in urinary tract infection

スタッフ

staff dummy

教授
氏名 榎田英樹 Hideki ENOKIDA
専門分野 泌尿器癌、ロボット手術、泌尿器内視鏡手術
研究テーマ ・泌尿器癌におけるマイクロRNAの機能の解明

 

研究者総覧 リポジトリ


staff dummy

准教授
氏名 鑪野秀一 Shuichi TATARANO
専門分野 泌尿器癌、ロボット手術、内視鏡手術、腎移植
研究テーマ ・泌尿器癌におけるマイクロRNAの機能の解明

研究者総覧 リポジトリ


staff dummy

講師
氏名 吉野裕史 Hirofumi YOSHINO
専門分野 泌尿器癌、ロボット手術、内視鏡手術、腎移植
研究テーマ ・泌尿器癌におけるエクソソームと癌代謝のメカニズムの 解明

研究者総覧 リポジトリ


staff dummy

助教
氏名  松下良介 Ryosuke MATSUSHITA
専門分野  泌尿器癌、泌尿器内視鏡手術、ロボット手術
研究テーマ  泌尿器癌におけるマイクロRNAの機能の解明

研究者総覧 リポジトリ


staff dummy

助教
氏名  坂口 大 Takashi SAKAGUCHI
専門分野  泌尿器癌、泌尿器内視鏡手術、腎移植
研究テーマ  泌尿器癌におけるマイクロRNAの機能の解明

研究者総覧 リポジトリ

 
staff dummy
 助教 
氏名  見附 明彦 Akihiko  MITSUKE
専門分野  泌尿器癌、泌尿器内視鏡手術、腎移植
研究テーマ  泌尿器癌におけるマイクロRNAの機能の解明

研究者総覧 リポジトリ

 

主な特許等(出願中も含む)

名称 / 登録日 miRNA発現プロファイリングに基づく膀胱癌の検出方法  /  2015.3.6
発明者等、登録番号 関直彦 , 中川昌之 , 榎田英樹 / 5704575号、5704576号
名称 / 登録日 miRNA発現プロファイリングに基づく尿路上皮癌の検出方法 / 2016.2.19
発明者等、登録番号 関直彦 , 榎田英樹 , 中川昌之 / 5884219号
名称 / 出願日 尿路上皮癌の検出方法 / 2014.5.20
発明者等、出願番号 榎田英樹, 中川昌之, 関直彦 / 2015-518261
名称 / 出願日 セルソーティングを用いた尿中マイクロRNAに基づく尿路上皮膚癌の検出方法  /  2016.10.11
発明者等、出願番号 吉野裕史, 中川昌之, 榎田英樹 / 2016-199849

主な研究費取得状況

中川昌之
事業・種目 / 期間 科研費助成事業 基盤研究(C) / 2019.4.1~2022.3.31
研究 多面的アプローチによる尿路上皮癌における抗癌剤耐性機序の解明
榎田英樹
事業・種目 / 期間 科研費助成事業 基盤研究(C) / 2021.4.1~2024.3.31
研究 セルソーティングを応用した尿中マイクロRNA検出による新規尿路上皮癌診断法の開発
山田保俊
事業・種目 / 期間 科研費助成事業 基盤研究(C) / 2021.4.1~2024.3.31
研究 エクソソーム中miRNAを起点とした治療抵抗性膀胱癌に対する新規治療戦略の探索
吉野裕史
事業・種目 / 期間 科研費助成事業 基盤研究(C)/ 2019.4.1~2022.3.31
研究 ユビキチンプロテアソーム経路を標的とした進行性腎細胞癌に対する新規治療戦略の構築

大迫洋一
事業・種目 / 期間 科研費助成事業 若手研究 / 2020.4.1~2022.3.31
研究 セリン合成経路を標的とした新規膀胱癌治療の可能性とその発現機構の解明

分野サイト

鹿児島大学
医学部
鹿児島大学歯学部
鹿児島大学病院
新ニーズに対応する九州がんプロ養成プラン
附属施設等