統合分子生理学分野

健康状態は気(こころ、脳のはたらき)に大きく影響されていますが、当分野ではその神経メカニズムの解明を通じて人類の健康福祉に貢献することを目指しています。脳による身体の調節や身体による脳への影響のメカニズムを研究するために、こころとからだを同時に観察し理解する複眼思考を大切にしています。遺伝子操作マウスや脳の光操作などの最新の技術と従来の電気生理学・行動生理学・解剖学・生化学の技術とを組合せ、他大学や学内他分野とも連携することで多彩な研究を遂行しています。

研究室概要

部局 大学院医歯学総合研究科 Graduate School of Medical and Dental Sciences
専攻 先進治療科学専攻 Advanced Therapeutics Course
大講座 生体機能制御学 Functional Biology and Pharmacology
分野 統合分子生理学 Physiology
分野サイト https://www3.kufm.kagoshima-u.ac.jp/physiol1/

分野サイト

連絡先

TEL.099-275-5227 / FAX.099-275-5231

主要研究テーマ

ストレス緩和・自律神経調節の脳科学 Brain Science of the Automonic Nervous System and Relaxation
アロマテラピーの脳科学 Brain Science of Aromatherapy
味覚・食欲の脳科学 Brain Science of Taste and Apetite
ストレス・情動の脳科学 Brain Science of Stress and Emotional Response

スタッフ

staff dummy

教授
氏名  
専門分野  
研究テーマ  

柏谷英樹 KASHIWADANI Hideki

講師
氏名 柏谷英樹 Hideki KASHIWADANI
専門分野 嗅覚生理学、脳神経生理学
研究テーマ ・匂い誘発性鎮痛の神経科学
・高次嗅覚中枢の神経科学

研究者総覧


楠本郁恵 KUSUMOTO Ikue

助教
氏名 楠本郁恵 Ikue KUSUMOTO
専門分野 神経科学、感覚生理学
研究テーマ ・摂食調節における大脳皮質の役割
・高次嗅覚中枢の神経科学

研究者総覧


staff dummy

助教
氏名  
専門分野  
研究テーマ  

主な研究実績

桑木
  • 視床下部オレキシン含有神経が多彩なストレス防衛反応を一斉に開始させるマスタースイッチの役割を持つことを発見。Am J Physiol 285:R581 (2003), J Physiol 588:4117 (2010), Temperature 2:379 (2015), 他.
桑木、柏谷
  • 頭頸部に存在するワサビ受容体(TRPA1)が低・高酸素ガスや危険ガスの吸入回避に必須の分子であることを発見。Nature Chem Biol 7:701 (2011), Sci Reports (2013) 3:3100 (2013).
柏谷
  • 左右鼻腔由来の入力を巧みに使い分けることで嗅源定位を可能にする嗅覚中枢回路を発見。Proc Natl Acad Sci USA 107:12363 (2010).
楠本
  • 大脳皮質島皮質の神経活動が、餌予測行動の発現に関与していることを発見。Proc Natl Acad Sci USA 112:1190 (2015).
山下
  • 前帯状回アストロサイトの持続的な活性化が、神経障害性疼痛に伴う睡眠障害の発現に関与していることを発見。Synapse 68:235 (2014).
  • In vivo ファイバーフォトメトリーシステムを用いた自由行動マウスからの脳深部神経活動記録法の確立。(論文投稿準備中)
  • 光遺伝学を用いた心臓のリード線無しペーシング技術の確立。(論文投稿準備中)

共同開発・研究

  • 京都大学、金沢大学、筑波大学、名古屋大学、群馬大学、東京大学、東京女子医大、生理学研究所、Harvard University、Flinders University、University of Alabama、Stanford University
  • 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 侵襲制御学、救急・集中治療医学、心臓血管・高血圧内科、農学部生物資源化学科

産学連携

桑木共之 ストレスが身体の不具合として顕在化するメカニズムの研究
柏谷英樹 「香り」による自律神経系調節の神経メカニズム
楠本郁恵 「からだ」と「こころ」を繋ぐ食欲の脳科学
山下哲 非拘束自由行動マウスからの神経活動記録法の確立(予定)

主な研究費取得状況

桑木共之
事業・種目研究期間
新学術領域「酸素生物学」(代表) 酸素センシングと酸素リモデリングにおけるTRPA1の役割解明 平成29-30年度
基盤B(代表) ストレス防衛反応の脳内回路の光遺伝学による解明 平成28-30年度
萌芽(代表) 快情動を司る脳内神経回路 平成28-29年度
基盤C(分担) 運動野からのトップダウン的痛覚抑制機序の解明 平成28-30年度
基盤B(分担) 周術期ストレスホルモンによる体温調節機構 平成25-27年度
基盤C(分担) 術後痛と創傷治癒におけるTRPA1チャネルの役割 平成26-28年度
喫煙科学研究財団(代表) タバコ煙成分の刺激による呼吸抑制・咳反射の機序解明 平成27-31年度
日本学生支援機構 留学生交流支援制度(短期受入れ)(代表) アジアにおける神経科学の共同研究体制形成に向けた人材養成 平成25-30年度
基盤B(代表) ストレス防衛反応を担う神経伝達物質 平成24-26年度
萌芽(代表) 環境ガス早期警告系としてのTRPA1チャネルの役割 平成25-26年度
柏谷英樹
事業・種目研究期間
基盤C(代表) リナロール香気の抗不安作用と中枢神経回路基盤の解明 平成29-31年度
基盤C(分担) 運動野からのトップダウン的痛覚抑制機序の解明 平成28-30年度
萌芽(代表) 匂い誘発性鎮痛の中枢神経回路メカニズム 平成26-27年度
児玉記念基礎医学研究基金(代表) 嗅覚入力による疼痛制御及び自律神経制御の神経メカニズム 平成25-27年度
コスメトロジー財団研究助成(代表) 香り誘発性鎮痛の視床下部オレキシンニューロンによる調節 平成25年度
金原一郎記念医学医療振興財団・基礎医学医療研究助成(代表) 香り誘発性鎮痛の神経機構 平成25年度
楠本郁恵
事業・種目研究期間
基盤C(代表) 摂食関連行動時に活性化される島皮質神経細胞群による食欲調節メカニズムの解明 平成30-令和2年度
若手B(代表) 島皮質が及ぼす餌予測行動発現の重要出力回路 平成28-29年度
若手B(代表) 大脳皮質が調節する摂食行動に対するオレキシンの役割 平成26-27年度
公益信託・成茂神経科学研究助成金(代表) オレキシンによる大脳皮質神経活動の調節 平成26年度
武田科学振興財団 医学系研究奨励(精神・神経・脳領域)(代表) 島皮質が餌予測行動を引き起こす神経回路メカニズムの研究 平成27-28年度
山田養蜂場
みつばち研究助成基金
加齢による微量栄養素知覚変化に果たす島皮質での情報処理の役割 平成27-28年度
内藤記念女性研究者研究助成金(代表) 食べる楽しみを支える摂食調節神経機構の解析 2017年度
山下哲
事業・種目研究期間
基盤C(代表) 自律応答神経回路に着目したうつ病発症脳内メカニズムの解明 令和2-5年度
基盤C(分担) 腹内側核PACAP発現細胞の双方向性摂食調節メカニズムの解明と新規抗肥満薬の開発 令和2-4年度
児玉記念基礎医学研究助成基金 新規研究助成 新規 in vivo 実験系を用いたオレキシン神経の機能分担メカニズム解明 令和2-3年度
横山臨床薬理研究助成基金 萌芽的研究助成金 リード線なし心臓ペーシングシステムに基づく新規不整脈治療法の開発 令和元-2年度
先進医薬研究振興財団 循環医学分野 若手研究助成 心房細動患者に対する光遺伝学を用いた新規治療法の開発 令和元-2年度
国際共同研究強化B(分担) 睡眠中の記憶形成と消去に関わる神経機構の解明 平成30-令和5年度
若手B(代表) 情動ストレス負荷に対する自律神経応答の脳神経回路メカニズム解明 平成29-30年度
若手B(代表) 青斑核ノルアドレナリン神経機能の全解明 平成27-28年度
宮田心臓病研究振興基金医学研究の学究等に対する奨励金 未成年心臓血管病の学究等 光遺伝学を用いた心筋の遠隔光操作による無線ペーシング技術の開発 平成27-28年度
児玉記念基礎医学研究助成基金 新規研究助成 意識下活動動物からの特定神経活動記録法によるオレキシン神経の生理機能解明 平成27-28年度

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