修士課程
修了生の声、進路
医歯学総合研究科に進んだきっかけ
私は,工学部3年生の時に受講した特別授業がきっかけで,ウイルス学に興味を持ちました。特に,授業で知ったHTLV-1というウイルスが原因で引き起こされる成人T細胞白血病(ATL)の話は,私が生まれ育った南九州に患者さんが多いということで,強く関心を持ちました。次第に,少しでも地元で苦しんでいる方々のお役に立てることができればという思いが強くなり,医歯学総合研究科へ進学しました。
学生生活
修士課程の“2年”という限られた期間の中で成果を出すためには,時間を有効的に使わなければなりません。私は就職活動も行っていたため,東京や大阪へ出かけることが多く,研究室を1週間以上離れることもありました。2年間,抗ATL薬開発の研究に携わりましたが,まずはATLの病態や研究の基礎手法を学ぶことで1年が過ぎ,正直焦る時期もありました。当時を振り返ると,先生や先輩のご指導,同期の協力なくして自分の研究は成り立たなかったと思います。ご指導いただいた研究室のみなさんには大変感謝しています。また,研究科の同期には多くの女性も在籍しており,既に社会人として活躍されている方もいました。お互いの研究の話題だけでなく,日常生活のこと等も含めて人生の先輩としてアドバイスをいただくこともありました。修士課程の授業は,社会人の方も受講できるよう夜の時間帯に開かれていました。先生方には,最新の知見や技術を丁寧に教えていただき,質問にも夜遅くまで付き合っていただきました。研究科の先生方には,生徒の学びに対して素晴らしい環境を提供していただきました。本当にあっという間で,充実した2年間を送ることができました。
現在の仕事
卒業後は,抗ウイルス薬開発を重点研究領域としている日本たばこ産業株式会社 医薬事業部に就職しました。医薬品開発は,多くの組織が関わり十数年という長い時間と多大な投資を費やす大規模プロジェクトです。現在,私は組織横断的な医薬品開発プロジェクトチームのプロジェクトマネジャーとして業務に従事しています。私たちが創出した新薬が,一日でも早く患者さんの元へ届けられるよう日々仕事に取り組んでいます。
学生さんへ
私は父から「社会に貢献できる人間になりなさい。」と,教えられてきました。社会貢献と言うと,身近な日常生活からは実感が湧かない言葉だと思いますが,学び続けることで自分の道が開かれ,それが社会貢献につながっていくのかなと最近思うようになりました。
私は,もともとモノづくりに興味があり工学部に入学したのですが,ウイルス学に出会い,医歯学総合研究科へと進む道を変えました。研究科への進学を考え始めた頃は,自分のやりたいことは何か,それらが将来の仕事につながるのか等,考え込むこともありましたが,思い切って研究科への扉を開いて本当に良かったなと感じています。おかげで,今はやりがいのある仕事にも就くことができています。皆さんには,興味があることに対して恐れず,前向きにチャレンジしていただきたいです。
日本たばこ産業株式会社 医薬事業部
米山 真衣子(旧姓:時任)(抗ウイルス化学療法研究分野 平成21年度修了)
最新の知識と研究に触れ、新しい自分に出会う
私は医療システム情報学分野に所属しました。社会人入学生の私にとって、仕事と勉強の両立は大変でしたが、先生方の熱心なご指導に支えられながら、この2年間を充実した本当に貴重な期間とすることができました。
先ず、最新の研究と情報が盛り込まれた講義は、受講後に見たり感じた物事が違ったものに思えるくらい興味深く、新鮮でした。また、修士論文の作成にあたっては、医療情報の2次利用による研究を行いました。研究活動を通して、知識や技術を習得しながら、論旨を通すことの難しさを痛感しました。また、「研究者としての自分」の個人的な成長に対しても沢山の刺激を貰うことができました。これまでの学びを生かして、これからも研究活動を続けて行きたいと思います。
このように最新知識と研究について学ぶことができ、自分の成長もできる修士課程、是非チャレンジしてみて下さい!
平成26年度修了生
研究を続けるきっかけとなった修士課程への入学
『再生医療』なんてそんな大それたこと、私にできるのかな?最初に、私が研究室見学に行った時に感じた素直な感想でした。
私は遺伝子治療・再生医学分野に入学し、分子生物学や細胞生物学などを基礎から学びました。社会人大学院生で時間の制約があることに加え、これまでに全く触れたことのない遺伝子組み換えやiPS細胞など、知らないことばかりで最初はとても不安でしたが、小戝教授を始めとする先生方の熱心な指導のおかげで、日々新しい発見をしながら、楽しく研究に取り組むことが出来ました。また研究だけではなく、セミナーや学会発表、授業や実習などを通して幅広く経験を積むことができ、2年間があっという間で充実した時間を過ごすことができました。
そしてこれをきっかけにより研究への興味が増し、同研究科で博士課程への進学を決めました。幸いなことに、ようやく続けてきた研究において一定の成果を出すことができ、大学院生ながらも昨年度より科学研究費(代表)に採択され、AMED事業・若手研究員にも採用頂けました。重責の一方で、さらに価値を認められた研究を発展できる喜びを感じながら研究を続けています。入学される皆さんにも、ぜひ積極的にたくさんの経験を積んで欲しいと思います♪
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 博士課程 遺伝子治療・再生医学分野
井手 佳菜子(平成24年度修了生)
高度で最新の情報が学べます
私が修士課程に進学した理由は、専門的な勉強をすることができ、また自ら実験を行うことで誰も知らなかった事実を解明したいと思ったからです。実際に実験を行ってみると上手くいかないこともあり、論文を参考に試行錯誤を繰り返して結果を残しています。大学院の講義は専門の先生方がされるので、わかりやすく高度で最新の事が勉強できます。自分の専門以外の話から研究のヒントを得たり、閃いたりすることもあるので、さまざまな事に興味を持ちながら勉強することが大事だと思いました。
修士課程を振り返って
鹿児島純心女子大学在学中に、坪内教授のお話を聞き、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の病態に興味を持ち、修士課程へ進学を決めました。研究室では検診データを基にNAFLDと喫煙の関連を明らかにすることを目的とし解析を行いました。それまで学んでいたこととまったく違う分野であったため、右も左も分からず不安でしたが、研究室の先輩方や先生方のご指導や心遣いのおかげでその不安もすぐになくなりました。学会や講習会への参加や発表する機会を与えていただき、充実した日々を送ることができました。あっという間の2年間でしたが、様々なことを学び、考え、視野が広がる機会を多く与えていただいたことを感謝しています。
修士課程進学は最高の選択でした
私は統合分子生理学教室で生体リズムについて研究を行いました。文学部出身だった私には医科学の経験や知識はありませんでしたが、先生方の丁寧かつ熱心なご指導のおかげで一つの研究を完成させることができました。そして学会発表等、多くのことを経験するチャンスをいただきました。現在、これらの経験は私にとって貴重な財産となっています。また各研究分野の最先端で活躍されている先生方の講義は、非常にわかりやすく、高度で最新の知識を学ぶことができました。講義中も講義以外の時間も先生方は温かく接してくださったので、気軽に質問をすることができ、より理解を深めることができました。研究者への第一歩にこの研究科に進学したことは、私にとって最高の選択だったと思います。
医歯学総合研究科は、やる気さえあれば素晴らしい環境を提供してくれます。ぜひ、ここであなたにしかできない研究に出会ってください。
修士課程を振り返って
私は工学部で4年間学んだあと、この医歯学総合研究科修士課程に進学しました。医科学については専門外でしたが、指導教授をはじめ医歯学総合研究科の先生方はどんな質問にも丁寧に答えてくださいました。また、実験操作や学会発表など、今まで自分がやったことのなかったことも積極的にサポートしてくださり、たくさんの経験を積むことができました。同じ修士課程の学生はほとんどが社会人の方で、幅広い分野・年齢の方がいらっしゃいました。まだ社会を経験していなかった私は、同期のみなさんと一緒に過ごす中でとても刺激を受けました。2年間という短い間でしたが、他では経験できない貴重で充実した毎日を送ることができました。
自分の視野が広がります
私は、消化器・乳腺甲状腺外科学分野に所属して、癌について研究を行いました。癌の研究とはどのようなことを学ぶのかと初めは不安でしたが、先生方がわかりやすく教えてくださったので、奥深いですが私たちに身近な分野だと思いました。修士課程では、今まで知らなかった幅広い分野の知識を得ることができ、視野も広がりました。また、講義だけでなく、実験などを通して実際に手を動かすことで、より深い理解につながりました。
2年間は長いようですが、あっという間です。興味があることについて積極的に学び、充実した学生生活を送ってください。