鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 遺伝子治療・再生医学分野の小戝 健一郎教授は、がん細胞だけを攻撃し、正常細胞は攻撃しない「次世代の腫瘍溶解性ウイルス」を用いたがんへのウイルス免疫療法という、自身の研究開発の成果を社会実装するため、サーブ・バイオファーマ株式会社を設立しました。同社は、鹿児島大学認定ベンチャーとして、国内最大級のバイオ専門ファンドを運営するDCIパートナーズ株式会社および鹿児島銀行が主要投資家であるファンドを運営する鹿児島ディベロップメント株式会社との共同設立となります。

 

 同社で取り組むのは、がん細胞だけを攻撃し、正常細胞は攻撃しない「多因子制御の増殖型アデノウイルス」(m-CRA)を作り出すプラットフォーム技術を使って作製した「次世代の腫瘍溶解性ウイルス」を用いた、がんへのウイルス免疫療法の開発・実用化です。現在は、がん細胞で特異的に高発現する「サバイビン」という分子に着目した複数の腫瘍溶解性ウイルス(Surv.m-CRA シリーズ)をパイプラインとして有しており、これらの事業展開を行います。

 

 同社の代表取締役である小戝教授は、「腫瘍溶解性ウイルスは、がん細胞だけで増殖してがん細胞のみを殺傷するように改変したウイルス医薬で、革新的ながん治療薬として世界的にも開発・実用化が期待されている。本学発のバイオベンチャーとして、大学から生まれた研究成果を一日でも早く患者様のもとへ医薬品として届けることができるよう、DCI パートナーズ株式会社、鹿児島銀行および鹿児島ディベロップメント株式会社、鹿児島大学と強力にタッグを組み、研究開発を加速させたい。」と話しました。

 

 同社はIPO(株式上場)準備を進めており、3年後のIPOを目指すこととしています。病に苦しむ日本・世界の患者様へ、本学発の革新的治療薬がいち早く届くこと、新産業が鹿児島に創出されることが期待されます。

  

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記者発表の様子

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(写真左から)株式会社鹿児島銀行 郡山 明久副頭取、小戝教授、DCIパートナーズ株式会社 成田 宏紀代表取締役社長、岩井 久理事(企画・社会連携担当)

 

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