第48回医歯学総合研究科生命倫理・遺伝子解析研究倫理委員会議事概要

開催日時 平成21年12月17日(木) 9:30〜10:40
場   所 医歯学総合研究科棟1(歯学系)3階会議室
出席委員 6名

乾委員長から、開会の挨拶があった後、議事が開始された。

倫理審査
【新規申請】
(1)受付番号62
申請者:医学部・歯学部附属病院 消化器センター 講師 桶谷 眞
研究課題「原発性胆汁性肝硬変の病型分類と予後予測のための基盤整備」
・・・・・軽微な修正を指摘し,最終判定は委員長に一任


報告
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科における「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」
  に基づく遺伝子解析研究に係る不適切な管理に関わる報告について

 乾委員長から、当研究機関で行われている研究※について、遺伝子解析のためのサンプル検体の取扱いに
ついて、不適切な管理が判明した
ことの照会があり、当研究の分担研究者である嶽崎俊郎教授より
資料(平成21年12月14日付で文部科学省に報告したもの)をもとに経過の報告があった。

〈報告の概要〉
 中央事務局である名古屋大学でDNAを抽出して調べる研究で、遺伝子の解析を始めてから同意書のない
サンプルがあることが判明した。他共同機関(九州大学や名古屋市立大学)も同様に同意がない等の
不適切に管理されている検体があることが分かった。報告まで3ヶ月間空いたことも問題として指摘され、
最終的に文部科学省に報告した。検診現場が混雑していて、スタッフも少なく誤って対象者でない方から
採血してしまったのが直接の原因でチェック作業が不十分であった。来年度から二次調査がはじまるので、
再発防止につとめる。今後は名古屋大学に送る際に、もう一回スクリーニングしチェックを重ねる。
来年度開始予定の二次調査開始前にこの倫理委員会に申請する際、採血の手順書を提出する。

 報告後、サンプルの廃棄に関して嶽ア俊郎教授より今回は29名分を廃棄し、新たに分かった29名に
関してのサンプル(血漿、血清、赤血球、尿)は後日廃棄することの説明があった。また乾委員長より
委員会終了後、委員長と学外委員の石窪委員2名の立ち会いのもと、正式に廃棄することの説明があった。

文部科学省の科学研究費補助金(特定領域研究)「日本多施設共同コーホート研究」。

名古屋大学、鹿児島大学、名古屋市立大学、九州大学を含む10研究機関で、日本人の生活習慣や遺伝子型と、
実際の生活習慣病の発生との関連を詳しく調べるためのコーホート研究を実施。鹿児島大学、
名古屋市立大学、及び、九州大学は血液検体等の採取、確認を行い、名古屋大学は中央事務局

(研究代表者:浜島信之)
として保存・管理を担当。

鹿児島大学は大学院医歯学総合研究科国際島嶼医療学が「分子疫学コーホート研究の支援に関する研究」
班として(分担研究者:嶽ア俊郎)、あまみ島嶼地域で「あまみの生活習慣病予防と長寿に関する研究」を
分担研究として実施している。